注文住宅のメリットと言うと、持主自身がいろいろとカスタマイズできることが挙げられるでしょう。その代表格の一つとしてウッドデッキがあります。
注文住宅を建てる方の多くがウッドデッキを作っていますが、それにはもちろんメリットがあるからです。では、そのメリットとは一体どのようなものなのでしょうか。
精神的ストレスを和らげる外観の良さ
まずウッドデッキを作ることで一番に挙げられるメリットとして外観の良さがあります。最近の住宅は殺風景の外観が多く、冷たい印象に見えることもあります。特に雑草などの処理が手間取ることから庭をコンクリートで固めてしまうことも多いため、その印象はさらに強まります。
しかし、そこにウッドデッキを設置しておくと、デザイン的にアクセントになるだけではなく、使われる木材によって温かみも生まれます。住宅と言うのは家族が一番多く過ごす場でもあり、視覚的にリラックスできる環境にすることは実はすごく大切なことなのです。
また、部屋とウッドデッキがひと続きになって見えることから、視覚的・体感的に部屋が広くなったように感じることができます。ウッドデッキの上で過ごさなくても、部屋の中からでも開放感を得ることができるというわけです。
家族を精神的なストレスを緩和させつつ健やかに過ごせるため、この外観の良さというのは最大のメリットと言っても過言ではありません。特に、建築費用や土地の広さの関係で家そのものをあまり大きくできないという方にとっては、ウッドデッキを設置することで空間を有効活用することができます。
リビングとの高さが同じことのメリット
メリットは見た目だけかというとそんなことはありません。ウッドデッキは機能的にも大変優れています。特にリビングと同じ高さで外に通じているため、そこで洗濯物を干すのが非常に便利です。
洗濯物は意外と重いので、それをわざわざ持ち上げたり、持ったまま段差を上り下りしたりするのは、体への負担が大きいですよね。洗濯はほぼ毎日行うものなので、女性や高齢者にとっては特に大変ですが、リビングと洗濯物を干す場所の高さを同じにすることで、その負担を大きく減らすことができます。
また、リビングの延長として使うこともできるというのも大きなメリットです。晴れた日は気分転換にウッドデッキで食事をすることもできますよね。屋外でコーヒーを飲むだけでも、室内で過ごすのとは違った特別な時間に感じられるでしょう。
焼き肉などは室内ですると臭いや煙が籠ってしまいますが、ウッドデッキでバーベキューをすれば家族や友人とのコミュニケーションが増えるだけでなく、臭いや煙の問題を解決することもできます。
他にも、庭をコンクリートで固めてしまう家が多いことは先ほども述べましたが、そこでは地面が硬すぎて、ペットや子どもが遊ぶことができません。その代わりとして、ウッドデッキの上に自由に遊べる空間を設けることができます。ガーデニングをしてみたいという方も、ウッドデッキの上に置いた鉢植えやプランターであれば維持・管理もそれほど大変ではありませんし、気軽に楽しむことができます。
このようにウッドデッキには多目的に活用方法があるため、注文住宅を建てる方の多くが、ウッドデッキを設置しているのです。
天然木材よりも樹脂木材の方が人気
ここまで、ウッドデッキのメリットについてご紹介してきました。では、ウッドデッキを設置することに、何かデメリットはあるのでしょうか。
まず言えることは、せっかく設置したにも関わらず、まったく有効活用できないという場合です。「洗濯物はいつも乾燥機で済ませてしまう」「ウッドデッキで食事をしたのは新築の頃だけで、今はただの物置になってしまった」「鉢植えを置いてみたものの、水やりが面倒で枯らしてしまった」など、そもそも自分たちの生活スタイルに本当に合っているのかどうか、設置する前に一度考えてみる必要はあるでしょう。
隣の家との距離が近い都会は特に、外からの視線が気になる可能性があります。開放的で居心地が良いのがウッドデッキですが、他人から丸見えの位置にあるとしたら、洗濯物を干すことですらはばかられます。道路からの目隠しはできても、隣家の2階などから見えてしまう場合もあります。
その対策としては、ウッドデッキの上にひさしを設置するのがおすすめです。上からの視線を隠すこともできますし、直射日光を遮ることで日焼け防止にもなります。リビングへ入る日の光が減ってしまうことが気になるようであれば、可動式の屋根やパラソルなども良いでしょう。
また、ウッドデッキは木屑が出たり、腐ったりするなど、メンテナンスが大変というイメージを持たれて敬遠してしまう人もいます。そのデメリットを解消してくれる存在として、樹脂木材と呼ばれる素材があります。
これはプラスティック樹脂と木粉を混ぜ合わせて作られたもので、見た目は天然木材に見えますが、木屑が出たりしませんし、耐久力も高いためメンテナンスも少なくて済みます。安心して利用できるため、多くの注文住宅のウッドデッキには、この樹脂木材が使われています。
それから、注文住宅の床下には通気口が設けられていますが、ウッドデッキでそれを塞いでしまうと室内の湿気の逃げ場所が失われてしまいます。湿気が籠ると結露やカビなどの原因となってしまうため、ウッドデッキを設置する場合にはその点に注意を払う必要があるでしょう。
まとめ
注文住宅のカスタマイズでよく選ばれるものにウッドデッキがあり、実際に多くの注文住宅でそれを見かけることができます。ウッドデッキを設置するメリットは、外観の良さで精神的なストレスを緩和させることができるのに加え、リビングと高さが同じ利点を活かした多目的な利用方法にあります。
木屑やメンテナンスなどを理由に敬遠される方もいらっしゃいますが、天然木材の代わりに樹脂木材を利用することで、その問題を解消することができます。場合によっては、せっかく設置したにも関わらずほとんど使わなくなってしまったという人もいるので、自分たちの生活スタイルに合っているものかどうか、設置する前には家族でよく話し合うことをおすすめします。